2007年1月13日土曜日

シャーロック・ホームズ バスカビル家の犬

NHKで年明けにやってたのですが、今頃になってレビュー汗。

(ネタバレ含みますー。)

ホームズの長編小説の一つ、「バスカヴィル家の犬」をドラマ化、ってことで観てみましたが。。。
ごめん、ちょっとハズレでした。

まず描写ですが、推理モノってことでミステリアスな雰囲気を醸し出そうとしたのでしょう、妙に暗い。
しかも少々残虐なシーンがありました。

次に、NHK用に編集してる可能性もあるかもですが、小説を読んでないと「?」というシーンがありました。
例えばホームズがバスカヴィル家に赴かない理由が適切な所にありませんでした。
「他の仕事があって来れない」の台詞はワトスンがステープルトンに初めて出会ったときに発します。

さらにヤマ場、ホームズが罠を張る時に言った台詞「ロンドンに戻らなくてはならない」の前に、ステープルトンはヘンリー・バスカヴィルを食事に誘っていません!!この後ステープルトンはたしかに食事に誘うのですが、何ですかホームズは予知能力でもあるんですか?w
この辺のスクリプトがおかしかったような気がします。

そして遂には、小説の中では無事に助かったヘンリー卿ですが、このドラマでは命は助かったものの大怪我を負ってしまいます。つまりホームズはそれなりに失敗してしまうのです。。。汗。

次にキャラクターと役者について。

リチャード・ロクスバラ演じるホームズは演技は良い物の、ホームズのイメージよりは背が低くガタイが良すぎた感じです。
まあホームズほど明確にキャラクターが設定されていると、それに合う役者を探すの確かに難しいでしょうけどね。。

ワトスンが発った後にホームズが"怪しい辻馬車"を調べるシーンがあるのですが、勝手に調べてる所を御者に見つかってしまって(さらに怪しい奴だと勘違されて)格闘になってしまう。
で、御者をねじ伏せて客の情報を引き出すんですが、実際のホームズならそういう行動はしそうもないんだけど。。。もっとスマートにやるよなぁと。

脱獄囚セルデンにも違和感を覚えました。というのは、ヘンリー卿との体格が誰の目にも明らかに違うのです。かなり太ってました!
セルデンはヘンリー卿の服を着た為に犬に追われて崖から落ちて死んでしまいます。それを発見したホームズとワトスンはヘンリー卿(実はセルデン)を助けられなかった事に失望しますが、私達が知っているホームズなら、体格が違うとすぐ見抜き、別人であることを察知するはず。

そして私が一番おかしいと思ったのが、ワトスン君です。小説のワトスンは社交的で親しみやすそうなんですが、そのワトスンがとても短気で冷徹なキャラクターになってました。下手するとナチっぽさも感じられるくらい。
しかもこのワトスン、まとまりかけてた事件の最後に暴挙に出てしまい一波乱起こしてしまいます汗。
そのせいでホームズとワトスン自身も死にそうになるわ、ドラマでは生け捕りに出来た筈のステープルトンは死んでしまう(小説では死んだと推測されてるけど)わ。。。たまったもんじゃありませんw。こんなワトスンとよく暮らせるなぁホームズは、と思わせるくらいです。
このドラマのワトスンが経営してる病院にはちょっと行きたくないかもw。

ですが良かった点が一つだけあります。それは犯人のステープルトンのキャラクターです。
小説では昆虫学者として登場しますが、このドラマでは人類学者で、この土地に来た理由は新石器時代の人類の骨の発掘をしにきた、という小説よりもまっとうな理由になっています。
しかもこの設定のおかげで、本来モーティマー医師の台詞「ホームズさん、あなたの頭蓋骨は素晴らしい!」をステープルトンが言う事によって、ステープルトンの不気味さを増しています。

というわけで、ちょっと異色なホームズを観たい方は。。。どこで観ればいいんだ?汗

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