2007年1月21日日曜日

ファドソレラミシ

魔法の呪文のようなタイトルですが、ちょっと置いといて。

というわけで調号についてです。
どこまで書けるかちょっと自信無かったりするんですが!


調号の「調」とは
よくカラオケボックスで皆で歌ってると「ちょっとキーが高いなぁ」とか言ってリモコンを操作しだす人がいますね。
で、曲そのものが高くなったり低くなったりしてるのを見た(っつうか聴いた)事がある方も多いと思います。

これは「調」を変えてるんです。「キー」という呼び方のほうが一般的ですね。

という事で調とは「ある音を基準にした音階」の事です。
んじゃ「調(キー)」の構造をみてみましょう。


調には2種類ある
学校で習ってて覚えてる方も多いかもしれませんが、調には2種類あります。
「長調」と「短調」です。

その中でも「ハ長調」は良く耳にしたことがあると思いますが、これが皆さん良くご存知の「ドレミファソラシド」という音階で出来ている「調」です。長調か短調かでいえばその名の通り「長調」です。
ド(日本語でハ)の音が主音の長調だからハ長調。

長調の理由は「短調と比べて明るいから」です。アバウトな表現だと思われますが実際そうでして(音楽というのは感情に訴えるので実際に聴かないと分かりにくいモノです)。
後でもっとシステマチックに解説します。

さて短調ですが、一番簡単なのは「ドレミファソラシド」の音のスタートを変えるだけ。ラから始めてみましょう。
「ラシドレミファソラ」を聴く
最後ちょっとおかしいけど、ドレミファソラシドと比べて悲しい感じがしましたよね。この悲しい感じが短調の特徴です。

ちなみにこの調は、ラ(日本語でイ)で始まる短調なので「イ短調」です。
つまり「ハ長調」と「イ短調」で使われる音は同じであり、ある意味親戚なのです(後述)。
この関係を「平行調」と言います。
ちょっとずらすだけでなぜ変わるのか?前回出てきた"12の関係"が関係してます。


音階についてもう少し:12の関係
前回出てきた"黒鍵を含む12の関係"について、ここで説明します。
前回「色々な音階があって、その音階も自分でも作って良い」と説明しましたが、一般的な音楽は「ドレミファソラシド」の音階を使っていて、これを基準にするととても説明しやすいので、一般的な音階で説明します。

さて、一つ一つの音の間を見て行きましょう。


ドとレの間には黒鍵がありますね。ですが、ミとファの間には黒鍵がありません。ですがどちらとも「2度の関係」です。
この2つを区別するために「長2度」、「短2度」という言葉を使います。
前者のように、2度でありながら最初の音と最後の音の間に何かしらの音(黒鍵でも白鍵でも構いません)がある場合は「長2度」と呼び、反対に間に何も無い場合は「短2度」と呼び、区別をつけています。



つまり「長2度と短2度があり、音が一つだけ多いほうを長と呼ぶ」ということになります。
ここでポイントなのは「音が一つだけ」ってとこです。

3度の関係でも「長3度」と「短3度」の2つがあります。ドとミでは黒鍵が2つありますが、レとファは黒鍵が1つしかありません(右下図はミとソ)。
その差は「音が一つだけ多いか少ないか」なので、多いほうを長3度、少ない方を短3度と呼びます。

 

この「長/短」を用いる事によって、黒鍵の関係(厳密に言えば半音の関係)を表す事が出来ます。
(もっと奥があるのですが、「調」を調べるならここまでで充分なのでまた今度。。。すいません考え無しで汗)


長/短で音階を表してみる
以上を踏まえて、「ドレミファソラシド」(つまりハ長調)それぞれの関係を長/短(それぞれ2度)で表すとこうなります。

長、長、短、長、長、長、短



短調は(短3度下の)ラから始めるのでこうなります。

長、短、長、長、短、長、長

ここで重要なのは「2番目と3番目の音の関係」です。長調では「長」ですが、短調では「短」になっています。他にも違う所がありますがここが一番重要です。
3番目の音が半音変わるだけでガラっとイメージが変わります。

という事で、長調と短調の違いは、それぞれの音の関係の違いでもある訳です。


リモコンをいじってみる
しばらくの間、短調は忘れてください。長調で話を進めます。

さて最初のカラオケの話。
歌っているのがハ長調の曲だとしましょう。しかしどうも低い。おもむろにリモコンを取り出し「#」、つまり半音あげるボタンを2回押しました。

この時何がどうなったかみてみましょう。
まず半音あげるボタンを2回押したという事は、12個ある鍵盤で数えてみると「ドがレになった」という事です。(ド>(1回押して)ド#>(もう1回押して)レ)
言い換えると「それぞれの音が長2度上の音になった」という事です。
では一つ一つ見て行きましょう。

ファとドに#がつきました。何故でしょう?
ここで必要なのは、長調の構造を成しているそれぞれの音の関係です。

長、長、短、長、長、長、短

レからスタートして、一つ一つ当てはめて行きましょう。

最初はレ。
レの長2度上は(レ♯をはさんで)ミ。ミのままでOKです。
ミの長2度上は(ファをはさんで)ファ#。長2度なので音を1つ間に入れる形になります。だからファ#です。
ファ#の短2度上は(何も挟まないから)ソ
ソの長2度上はラ
ラの長2度上はシ
シの長2度上は(ドをはさんで)ド#
ド#の短2度上は(何も挟まないから)レ

並べてみると「レミファ# ソラシド# レ」

こうなります。
そしてこの調は「レ(日本語で『ニ』)」からスタートして長調の構造になっているので「ニ長調」となります。


調号を見てみよう
やっと本題だ(汗。
楽譜を見ると、ト音記号の次にこの調号が来ます。これの見方を。
と言っても勿論記号がついてる音を半音上げる/下げるんですが、他にもあります。
調号という名の通り「この曲は何調か」を示しています。
おっとその前に。
調号がなにも付いていないときは例の「ドレミファソラシド」のハ長調かイ短調です。これが基準です。

という事で調号の一覧を見てみましょう。



ごちゃごちゃしてますねぇ。。。でもご安心。見方さえ分かれば何調かほとんど分かります。

ここのポイントは「記号がつく順番がある」「一度ついた記号は、その系統全てにつく」点です。
つまりファ#は#系の調号全てについていて、他の音階の音に#がついていたら(臨時記号で打ち消していない限り)絶対にファにも#がついている、という事になります。
ということで、調号がつく順番を覚えましょう。

ようやくタイトルと同じ文字が出てきましたw。
この図、左から読むと#のつく順番、右から読むと♭のつく順番です。
だからどっちか片方を覚えちゃえば両方分かるかと。

一つ注意です。
前述で調には長調と短調の2種類あると書きました。そしてハ長調とイ短調は平行調とよばれる親戚であるとも書きました。
実はこの2つの調、使う音が同じなので調号も同じになっちゃうのです。なので調号を見ただけではどっちの調かは分かりませんが、実際は曲そのものから分かるのでそれほど問題にはなりません。基本的に明るい曲なら長調、暗い曲なら短調です(この判定ももっと詳しく説明できますが、かなりややこしいのでここでは割愛します)。

さて調号から何調かを当てる方法です。


調号が#だった場合:
一番右についている調号の半音(短2度)上の音。これがその調の主音になります。専門的に言うと、一番右の音は導音(主音に導く音)を表しています。

例:#が3つの調
上の図からすると「ファ」「ド」「ソ」とついていますね。一番右は「ソ」ですが、調号で#がついてるので実際は「ソ#」です。という事は「ソ#」の半音上(短2度上)の「ラ」が主音です。「ラ」から始まる音階の長調、またはその短3度下の音(ファ#)から始まる短調のどちらかです。

ここで注意なのは、#の数が多い場合ちょっとややこしくなります。#が6つだと一番右は「ミ」ですが、「ミ#」の実際の音はそのまま「ファ」です。それで問題ありません。その半音上の「ファ#」が主音になります。


調号が♭だった場合:
一番右から2つめの音が主音です。専門的に言うと一番右は下属音です。♭が1つの場合もあるけどちょっと後回し。

例:♭が4つの調
「シ」「ミ」「ラ」「レ」とついて、右から2番目ということは「ラ」ですね。調号で♭がついているので半音さげて「ラ♭」が主音の長調か、短3度下のファが主音の短調になります。

♭が1つの場合は?
覚えちゃった方が早いんですが、法則を見ると右から2番目が主音ですが、上の例を見ると一番右の調号がレ♭のとき、ラ♭が主音になっています。という事はレ♭とラ♭の関係が分かればそれをシ♭に当てはめれば良い訳で。
レ(ドシ)ラ。。。ということはシ(ラソ)ファですね。
もしくは
レ(ミファソ)ラ。。。ということはシ(ドレミ)ファです。

ということでファが主音の長調か、レが主音の短調です。♭はつかないのか?とお思いかもしれませんが、♭はシに一つ付いているだけなのでファにはつきません。

調の呼び方
よく使われている呼び方を纏めます。
(イタリア語)ドレミファソラシ
(日本語)  ハニホヘトイロ
(英語)   C D E F G A B

#はシャープ、日本語では「嬰(えい)」
♭はフラット、日本語では「変(へん)」

「Major(英語)」 は「長調(日本語)」
「Minor(英語)」 は「短調(日本語)」

日本語の場合、まず#か♭をさす言葉があり(ない場合は省略)、次に主音、最後に調となります。
例:ハ長調、変ロ短調、嬰ヘ長調 等々。

英語は主音、記号、調の順です。
例 : C Major , B♭Minor , F# Major etc...

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